純恋イケメンガールを好きになる!
「……ただいま。」
「オイ!! 今何時だと思っ……!」
俺の声に振り返った志島は、俺を見るなり顔をしかめた。
「……何の冗談だよ、これ。」
そんな露骨に、嫌な顔しなくてもいいじゃんか……。
確かに、今の俺の顔は、涙とか鼻水でぐちゃぐちゃで
どこをどう見ても、いつものイケメン顔には見えないと思うけど……。
「……開始、15分前なんだけど。」
「……ん。」
「その顔で出るつもり?」
「…………。」
「とりあえず鼻かめ。そんな顔じゃ、おまえのファンが泣くぞ。」
俺が泣いてると、気を遣ってか志島は妙に優しくて
なんか、気持ち悪い。