純恋イケメンガールを好きになる!
「ふぇ……?」
情けない声が出た。
「惚れたのは、確かに男の純恋先輩にです。」
「……ぅん……。」
「だけど今惚れてるのはっ、男とか、女とか関係なくて……!」
「純恋先輩、自身にです……。」
涙が、こぼれた。
知ってる、俺
この気持ち、知ってる。
こんなにも切なくて、こんなにも愛しい想い
俺もずっと前に、確かに持っていた。
いつだっけ?
どこでだっけ?
思い出せない。
ただ、幸せだった。
その想いだけで、〝私〟は笑顔になれた。
「〝男じゃない、先輩が好きです〟。」
今、芦谷が愛しい。