純恋イケメンガールを好きになる!
先週のことを思い出す。
先週、金曜日のこと。
劇場で行われたあの大胆なキスのせいで、俺と芦谷は注目の的だった。
幸い、会話までは会場には聞こえてなかったらしく、俺が実は女とか、そういう話題は無かった。
「……なんで、キスなんか。」
……いや、〝なんで〟、じゃないか。
芦谷は、俺が好きなんだから……。
ソッと、自分の唇に触れる。
あのときのことを思い出せば、今でも唇が触れ合ってるのような……そんな錯覚。
「はじめて……だったのに。」
康介ともしたことがなかった。
正真正銘、ファーストキス