純恋イケメンガールを好きになる!
あぁ……もう、ほんとやだ。
せめて目だけはつぶって、芦谷の顔を見ないようにする。
俺の頬に触れる、芦谷の細い指。
身長が大きければ手も大きくて、そのまま指先が額を撫でた。
「よかった……傷にはなってない。」
薄く目を開けば、すぐ近くにある芦谷のホッとしたような表情。
なんで……なんでそこまで、俺のこと……。
「つい早く来過ぎたから、少し矢でも打とうかなと思ったんですけど……。もう時間ないですね……。」
「えっ!? もうそんな時間!?」
「あと5分で8時です。」
やっ、ヤバい!
俺まだ袴姿なのに……!
「芦谷っ、俺ちょっと着替えてくるから待ってて!」