純恋イケメンガールを好きになる!
――「遅い……。」
部活が始まってもうすぐ1時間が経つっていうのに、純恋先輩がまだ来ない。
きっとまた、そこら辺の女共に呼び出されてるんだと思ってたけど、いくら何でも遅すぎる。
「どうしたんだろ、先輩……。」
弓道好きな先輩が、連絡も無しに休むはずがない。
仮にも部長だし……。
もしかして、先輩に何かあったのか?
「芦谷! 次おまえの番だぞ!」
「へっ? あ、わ、わりいっ!」
同級生に肩を叩かれ、おれは的に向けて弓を構える。
……そういえば。
今日の帰りのホームルームのとき、確か志島先輩からメールが…………。
「っ……まさか……。」
「おっ、おい! 芦谷!?」
何か嫌な予感がして、弓をその場に投げ捨てる。
後ろの同級生の言葉には振り向かず、そのまま部室へと向かった。