純恋イケメンガールを好きになる!
――頭が、痛い……。
体も、なんか重い……?
「……っ。」
どこだ、ここ……?
目を開いた先は、明かり1つ無い薄暗いどこかの部屋。
確か俺……後ろから誰かに背中を押されて、そのまま階段から落ちたんだっけ……。
てことは、多分ここは学校の敷地内……。
いくら俺が女だとしても、男と対して変わらない身長で意識の無い俺を運ぶのは、それなり苦労するはずだ。
それに、あの声は女の子の声だった……。
「もしかしてここ……部屋じゃなくて倉庫か!?」
俺が倒れたところから、女の子の力で運べる日の当たらない場所と言えば、学校敷地内の体育倉庫しか無い……!
ようやく暗闇に慣れてきた目で辺りを見渡せば、バスケットボールや跳び箱らしきものも見える。
「くそ……っ。しかもここ、第2の方じゃねぇか……!」
第2体育倉庫といえば、今は物置同様。
体育祭のときを除いて、めったに使われることのない場所だ。
当然、人だって全く来ない。