純恋イケメンガールを好きになる!
「鍵は……閉まってる……当たり前か。」
扉を開けようとするも、扉はガチャガチャと音がするだけでビクともしなかった。
目覚めたときから何となく予想はしてたが、つまりは……
「閉じ込められたってわけか。」
クソっ……。
鞄が見当たらない。
きっと俺を閉じ込めたやつが持っていったんだろう。
せめて志島か芦谷辺りにでも連絡したいのだが、携帯も鞄の中だ、どうしようもない。
「……さみぃ。」
さっきも言った通り、体育祭のときを除いて、第2体育倉庫はめったに使われない。
理由は、第2体育倉庫にあるものは大抵第1倉庫に揃っているからと。
この第2体育倉庫が、校舎から離れた俺達の部室、道場の、さらにその後ろ側に建っているからだ。
建物自体が道場の影になっているわけだから、朝だろうが夕方だろうが日はほぼ全くといって当たらない。
おかげさまで、真夏はジメジメとした空気が倉庫内に立てこもるし、それ以外ではへたすりゃ風邪を引くぐらいの気温だ。