純恋イケメンガールを好きになる!
――わかっていた。
あたしなんかが岸和田先輩に敵わないことなんて、そんなこと
本当はずっと前からわかっていた。
それでも
「ふ、うぅ、ぁ……っ。」
祥一くんが好きだった。
理由なんて分からない。
きっかけだって特にない。
気づけば好きだった。
彼に、恋してた。
「祥一、くん……っ。」
好きだったからこそ、祥一くんがどれだけ岸和田先輩を想っていたか、あたしには分かる。
どれだけ心を許して心から微笑み、
どれだけ傷つけないようにと優しく接し、
どれだけ愛おしく、大切に想っていたことか。
あたし達がどんなに知りたくてもしれなかった顔を、岸和田先輩は簡単に見ることができるんだ。
…………そう思うと、ちょっと妬けた。