純恋イケメンガールを好きになる!
そのため、今から向かう映画館は真逆だというのに、わざわざ芦谷はこっちまで迎えに来てくれたってわけ。
本当、できた後輩だよな。
「……1人で電車でも乗せたら、またナンパされるに決まってる。今だって、周りの奴からこんなに見られてるのに……。」
「ん? 芦谷今なんか言った?」
「いえなにも。」
??
気のせいか?
「それより早く行きましょう、先輩。急がないと、いくら公開してから日にちが経っているとはいえ、混みますよ。」
芦谷にそう言われ、少し誤魔化された気もするが、渋々俺は歩き始めた。
なんて言ったって、さっきから芦谷を見る女の子達の視線が気になる……。
この調子じゃ、いつナンパされるか分からない。
そうなれば色々と面倒だし、何よりまた芦谷が女の子達に暴言吐くだろうから…………。