純恋イケメンガールを好きになる!
そんなわけで、素早く切符を買い電車に乗り込んだ。
「……意外と人多いですね。」
「あー…………。確か今日、映画館近くの会場で、有名歌手のサイン会があるとか……。」
そうそう。
それで昨日の夜から、メールで凛のテンションが微妙に高かったんだよな。
凛、あの歌手のこと、中学のときから大好きだったし。
「へぇー……。」
「…………。」
実は昨日、凛から一緒に行かないかと誘われた。
本音を言うと、行きたかった。
俺だって……あの歌手のことは大好きだし。
凛と出掛けるのも久々だったから、できたら断りたくない誘いだったけど。
「次ですね、降りるの。」
約束の順番も、俺の中の優先順位も、芦谷のが上だったから。
まぁ行きたかったのには違いないけど、仕方ない。