純恋イケメンガールを好きになる!
――○○駅ー、○○駅ー...
お、着いたな。
「先輩、降りるのこっち。」
芦谷が後ろを指差して、俺は芦谷の後ろを続く。
続く、んだけど……。
「す、すみませっ、通してください……っ。」
なんせこの人数。
満員電車の中だ、動こうにも動けないのが現状。
「わ……っ!」
そして案の定
やばっ…………こける!!
体が傾いて、地面が近付く…………
――グイッ...
「ほんっとうに危なっかしい人ですね、あなたは。」
「ははは……申し訳ないです。」
決して身長が低いわけじゃないから、押し出されるということも無いはずなんだけどな……(どちらかと言えば押し出す側)。
「ありがと、芦谷。」
俺以上に身長が高い芦谷は、さすがにそういうことは無いみたいで。
人が混雑する広い駅の中、堂々と真ん中の道を歩いていた。