純恋イケメンガールを好きになる!
腕を捕まれていたのに、気付けばそれは手へと変わっていた。
繋がれた手を引かれ、体が目の前の芦谷へと近付く。
「……純恋先輩。」
そう声が聞こえたかと思うと。
――チュ...
唇…………いや、口の端にリップ音と柔らかな感触。
「……ふは、可愛い。先輩も真っ赤だ、顔。」
「~~~~~~~っっっ!!!!」
口元を隠すようにして慌てて後ずさりすれば、芦谷はさっきまでの俺のように、こっちを見て笑っていた。
く、悔しい……っ。
芦谷のくせに生意気な!
「ざまあみやがれ。」
睨む俺にそう言いつけて、芦谷は俺の手を引く。
さっきと違って、最初から手のひらで。