オタ女子奈都子

あの出来事があってから山本は色々話をしてくれるようになった。
大好きなアニメの話やアイドルの話を生き生きと私に語りかけてくるようになった。


1番変わった事は今までデートとか山本がエスコートしてたのに私がプロデュースするようになった事。
私の行くところは嫌がらず楽しんでくれるから嬉しいんだけどね。


「ねぇ?タカ。今日▲市でアニメのイベントが10時から開催させるから自宅9時出発してランチは13時頃にしよう」

本人の希望で山本から呼び名もタカに変更。

「了解。あれ確かイタ車来るんだよね。楽しみだな~」


鼻歌を歌いながらローチェストの上に置いてある漫画の本に手を伸ばす。


「上機嫌だな」
タカに聞こえないように呟く。
あまりに楽しそうな、様子に吹き出してしまいそうだった。



実はまだ山本に言っていない事がある。
あの出来事の日、病院に行ってきて妊娠が確定したのだった。
今3カ月に入ったばかり。今日サプライズで伝えようと思う。
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