温もりを抱きしめて【完】
ふぅと小さく息を吐いた私は、夏希ちゃんをじっと見つめ返した。
「夏休みの間の園芸部の活動、ちょっと休む日が出ちゃうんだけどいいかな?」
私がそう尋ねると、キョトンとした目で私を見る夏希ちゃん。
「何、そんな事?全然いいよー!伽耶は誰かと組んで仕事やる日が多いから、休んだってもう1人いる訳だし」
夏希ちゃんは「深刻そうな顔だからビックリしたー」と言って、またアイスティーに手を伸ばした。
「どっか旅行でも行くの?」
ストローをくるくるさせながら、私を見る夏希ちゃんの口元には笑みが零れていた。
その無邪気な笑顔に、胸が痛む。
この後に告げる、私の言葉への反応が怖くなった。
私は小さく息を吐いて、姿勢を正した。
「私、西園寺くんと婚約することになったの。……来月婚約披露パーティがあって、その前後は部活に出れないんだ」
ストローを持つ手が、止まる。
夏希ちゃんは、「え...」と驚いた表情をしてアイスティーから私へと視線を移した。
「何、それ...」
ポツリとそう呟いたかと思うと、バッと立ち上がった夏希ちゃんはテーブルに手をついて私を見た。
「どういうこと?!だって、会長には水織が...っ」
そこまで言って、2人は別れたと予測がついたんだろう。
そのまま黙ってしまった夏希ちゃんは、ストンと脱力したかのように椅子に座った。
「夏休みの間の園芸部の活動、ちょっと休む日が出ちゃうんだけどいいかな?」
私がそう尋ねると、キョトンとした目で私を見る夏希ちゃん。
「何、そんな事?全然いいよー!伽耶は誰かと組んで仕事やる日が多いから、休んだってもう1人いる訳だし」
夏希ちゃんは「深刻そうな顔だからビックリしたー」と言って、またアイスティーに手を伸ばした。
「どっか旅行でも行くの?」
ストローをくるくるさせながら、私を見る夏希ちゃんの口元には笑みが零れていた。
その無邪気な笑顔に、胸が痛む。
この後に告げる、私の言葉への反応が怖くなった。
私は小さく息を吐いて、姿勢を正した。
「私、西園寺くんと婚約することになったの。……来月婚約披露パーティがあって、その前後は部活に出れないんだ」
ストローを持つ手が、止まる。
夏希ちゃんは、「え...」と驚いた表情をしてアイスティーから私へと視線を移した。
「何、それ...」
ポツリとそう呟いたかと思うと、バッと立ち上がった夏希ちゃんはテーブルに手をついて私を見た。
「どういうこと?!だって、会長には水織が...っ」
そこまで言って、2人は別れたと予測がついたんだろう。
そのまま黙ってしまった夏希ちゃんは、ストンと脱力したかのように椅子に座った。