温もりを抱きしめて【完】
雪乃ちゃんと一緒に行って以来、水曜日の放課後は図書館で過ごすようになった。
要さんの専属運転手である玉城(たましろ)さんのご家族が病気になってしまい、その看病で週に1回は夕方の仕事をお休みするようになった。
その為、私の送迎を担当していた二宮さんが要さんと私の学校帰りの送迎を兼務することに。
最初は早く帰宅する私を送迎して、その後また生徒会の仕事を終えた要さんを迎えに行く・・・という形をとっていた。
けど、二宮さんは本来清掃係で他の業務も抱えている。
だから相談の結果、水曜日だけは要さんの仕事が終わるまで私が校内に残ることにして、一緒に帰るようになったのだ。
「あった!」
1人で昼食を食べる時に利用する空き教室にやってきた私は、いつも座る座席の机の中から1冊の本を取り出した。
図書館に着いてから、今日返却予定だった本がないことに気付き、ここまで取りに来ていた。
お弁当を食べるのに邪魔だったから、一旦机の中に入れてそのままにしていたみたい。
お目当ての物を手にした私は、教室を出て、また図書館へと向かっていた。
10月を目前に控え、気候もすっかり秋らしくなってきた。
少し肌寒いな、なんて思っていると、廊下の窓が開きっぱなしの所があった。
―――誰か閉め忘れたのかな。
窓を閉めようと、縁に手をかける。
「で、ぶっちゃけアンタはどう思ってんのよ」
と、その時私の耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
要さんの専属運転手である玉城(たましろ)さんのご家族が病気になってしまい、その看病で週に1回は夕方の仕事をお休みするようになった。
その為、私の送迎を担当していた二宮さんが要さんと私の学校帰りの送迎を兼務することに。
最初は早く帰宅する私を送迎して、その後また生徒会の仕事を終えた要さんを迎えに行く・・・という形をとっていた。
けど、二宮さんは本来清掃係で他の業務も抱えている。
だから相談の結果、水曜日だけは要さんの仕事が終わるまで私が校内に残ることにして、一緒に帰るようになったのだ。
「あった!」
1人で昼食を食べる時に利用する空き教室にやってきた私は、いつも座る座席の机の中から1冊の本を取り出した。
図書館に着いてから、今日返却予定だった本がないことに気付き、ここまで取りに来ていた。
お弁当を食べるのに邪魔だったから、一旦机の中に入れてそのままにしていたみたい。
お目当ての物を手にした私は、教室を出て、また図書館へと向かっていた。
10月を目前に控え、気候もすっかり秋らしくなってきた。
少し肌寒いな、なんて思っていると、廊下の窓が開きっぱなしの所があった。
―――誰か閉め忘れたのかな。
窓を閉めようと、縁に手をかける。
「で、ぶっちゃけアンタはどう思ってんのよ」
と、その時私の耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。