温もりを抱きしめて【完】
「ん~!もう、どこいったのよ!」
面白い設定の物語についつい周りを忘れて読書に更けてっていた私は、窓の外から聞こえた声にハッとして手を止めた。
声が聞こえた方を見れば、赤いカチューシャをした女の子の後ろ姿が見える。
―――こんな所でどうしたんだろう?
彼女は、何か探し物でもしているようだった。
花壇を縁取っている赤いレンガの上に立って、辺りをキョロキョロ見渡している。
しばらくの間、そうやってあちこち歩いていたけど、お目当ての物は見つからなかったみたい。
「う~ん」と困ったような声を上げると、そのままそこにしゃがみ込んでしまった。
その様子を頬杖を突きながら見つめていると、ふと彼女が振り向いてこちらの方を見上げた。
キリリとした細目の眉に、目尻がきゅっと釣りあがった猫目。
そして、肩より少し短いくらいの黒髪に隠れる赤いカチューシャが印象的な女の子だ。
私と目が合った彼女は、ぱぁっと笑顔になって大きく手を振ってきた。
面白い設定の物語についつい周りを忘れて読書に更けてっていた私は、窓の外から聞こえた声にハッとして手を止めた。
声が聞こえた方を見れば、赤いカチューシャをした女の子の後ろ姿が見える。
―――こんな所でどうしたんだろう?
彼女は、何か探し物でもしているようだった。
花壇を縁取っている赤いレンガの上に立って、辺りをキョロキョロ見渡している。
しばらくの間、そうやってあちこち歩いていたけど、お目当ての物は見つからなかったみたい。
「う~ん」と困ったような声を上げると、そのままそこにしゃがみ込んでしまった。
その様子を頬杖を突きながら見つめていると、ふと彼女が振り向いてこちらの方を見上げた。
キリリとした細目の眉に、目尻がきゅっと釣りあがった猫目。
そして、肩より少し短いくらいの黒髪に隠れる赤いカチューシャが印象的な女の子だ。
私と目が合った彼女は、ぱぁっと笑顔になって大きく手を振ってきた。