温もりを抱きしめて【完】
「な・に・が、野暮用よ!どうせまた先生に呼び出し食らってたんでしょ?!」

「え?何でそれを」

「一之瀬から報告済みだ」



神谷くんの言葉に、”アラタ”くんの視線は一之瀬さんに移るけど、彼女はそっぽ向いて知らんぷり。

何だか部の中で、一連の流れは出来上がってるみたい。


「まぁ、それはさて置きアンタも自己紹介!」


夏希ちゃんにばしっと背中を叩かれると、”アラタ”くんは「あぁ」と改めて私を見る。



「2年の佐々倉 新(ささくら あらた)です。どうも」


「3年の藤島伽耶です。よろしくお願いします」


「お、伽耶って可愛い名前っスね!伽耶先輩って呼んでいいですか?」



にっこりと笑って私を見る彼に、夏希ちゃんとのやり取りが蘇る。


「、いいよ」



勢いに釣られてそう返事を返すと、やった!と喜ぶ様子を見せた彼。


「俺の事は新でいいですからね!伽耶先輩」


「じゃあ…、新くんで」


どこか人懐っこい感じで、やっぱり夏希ちゃんとノリが似てる。


「さ、伽耶との顔合わせも済んだし、今日の作業やっちゃおうか!私は伽耶に手入れしてる花壇の場所教えに行くから、後で合流ね」


と言う事で、3人とは一旦別れることにして、私は夏希ちゃんと移動。

他の部員にお辞儀をして、その場を後にした。


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