温もりを抱きしめて【完】
結局、食材係りは私たち以外に誰も希望者がおらず、じゃんけんをすることもなく、無事決まった。

当日の係りは接客係りに希望が殺到してたけど、私は調理係りに手を挙げて裏方に回ることにした。

役割決めが終わると、各係りでグループを作ってリーダーを決めて、今後の活動計画表を練ることになった。



「ねぇねぇ、伽耶ちゃん!リーダーやってくれない?」


係りのみんなで集まると、開口一番に綾子ちゃんがそう言ってきた。


「私?」


「お願い!私たち、部活の役にも当たっててさ。リーダーって予算委員会とか講習に何回か出ることあると思うんだけど、それくらいだし」


「もちろん、それ以外のことは手伝うから!いいかな?」



すまなさそうにお願いしてくる3人を見ると、返事は1つしかない。

面倒ごとを押し付けられた感は少しあるけど、私は「いいよ」と返した。


「ホント?ありがとう!」


「助かったー!」


計画表を書いてくれていた侑梨(ゆうり)ちゃんは、私の名前の横に『リーダー』と書き込んだ。

その後大まかな計画を取り決めたところでチャイムが鳴って、今日はココでお開きに。

委員長に計画表を提出した私は、小さく溜息をついた。
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