温もりを抱きしめて【完】
「どうしたの？」

「食材がまだ届いてないの！今、業者に連絡取ってみたんだけど、この時期注文が殺到してて、取りこぼしがあったかもしれないって言ってたけど…明日までに食材が用意できそうにないって言ってた」


それを聞いて周りがざわざわとし始める。


「ちょっと、それってどうなるの？」

「食材なかったら、何も出来ないじゃない」


すみれちゃんと、侑梨ちゃんも駆け寄ってきて4人で食材一覧表を見つめる。

1箇所でほとんどの材料を仕入れる予定だったので、仕入れ値も随分安く見積っていた。

「伽耶ちゃん、ちゃんと発注したって言ってたよね？」

どうするの、という目で見てくる3人。

部活の出し物の準備があるから、と食材調達の仕事はほとんど私が引き受けていた。


「ごめんなさい！業者に連絡したのは私で、ちゃんと確認の電話を入れてなかったから」

私は綾子ちゃんから紙をもらうと、クラスのみんなに頭を下げた。


「必ず食材は揃えるから、みんなは作業続けて！」


それだけ言うと、私は食材表を手に取って教室を出て行った。
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