温もりを抱きしめて【完】
夏希ちゃんと一緒になってリストを探すけど、なかなか見つからない。
どうしようかと頭を巡らせているさなか、突然生徒会室のドアがバンッと開いた。
パッと顔を上げて見ると、そこには要さんがいた。
「…オイ、仕入れ業者のリスト探してんだろ?」
「会長、そうなの!どこか分かる?!」
夏希ちゃんは要さんを見るや否や、たくさんのファイルを抱えて彼の元へ駆け寄った。
私も慌てて側へ行った。
いつもなら彼と話すのに、躊躇してしまう。
だけど、今はそんな事構わずに頭を下げてお願いした。
「すみません、私のミスで業者に発注した食材が届かなくて…今から手配したいので、リストを貸していただけませんか?」
頭を上げて彼の顔を見る。
すると、私の隣を横切った彼はホワイトボードの前にあるファイルをめくり始めた。
「事情はお前のクラスの連中に聞いた。生徒会が作成したリストの業者は小さな会社ばかりだから、急な注文は難しいだろう」
確かにこの時期は近隣の学校も文化祭をするところが多いし、1週間後には街の大きなお祭りが開催される。
今日お願いして、明日の朝に届けてもらうのには無理があるのは最もだ。
「じゃあ、どうすんの!」
と会長に詰め寄る夏希ちゃんを横目に、私は持ってきた食材表を手に取った。
「すみません、そういう事なら他当たってみます」
とりあえず近くの店に片っ端から電話するしかない、そう思った私は生徒会室を出ていこうとした。
「ちょっと待て」
だけど、要さんの声に足を止める。
「リストにはないが、話がつきそうな店がある」
ファイルから1枚の名刺を取り出した要さんは、それを夏希ちゃんに手渡した。
「そこに電話してみろ」
「さすが会長!よかったね、伽耶!」
夏希ちゃんは安堵の表情を浮かべて私の元へやってくる。
だけど私は、予想外の要さんの行動に少しだけ戸惑っていた。
どうしようかと頭を巡らせているさなか、突然生徒会室のドアがバンッと開いた。
パッと顔を上げて見ると、そこには要さんがいた。
「…オイ、仕入れ業者のリスト探してんだろ?」
「会長、そうなの!どこか分かる?!」
夏希ちゃんは要さんを見るや否や、たくさんのファイルを抱えて彼の元へ駆け寄った。
私も慌てて側へ行った。
いつもなら彼と話すのに、躊躇してしまう。
だけど、今はそんな事構わずに頭を下げてお願いした。
「すみません、私のミスで業者に発注した食材が届かなくて…今から手配したいので、リストを貸していただけませんか?」
頭を上げて彼の顔を見る。
すると、私の隣を横切った彼はホワイトボードの前にあるファイルをめくり始めた。
「事情はお前のクラスの連中に聞いた。生徒会が作成したリストの業者は小さな会社ばかりだから、急な注文は難しいだろう」
確かにこの時期は近隣の学校も文化祭をするところが多いし、1週間後には街の大きなお祭りが開催される。
今日お願いして、明日の朝に届けてもらうのには無理があるのは最もだ。
「じゃあ、どうすんの!」
と会長に詰め寄る夏希ちゃんを横目に、私は持ってきた食材表を手に取った。
「すみません、そういう事なら他当たってみます」
とりあえず近くの店に片っ端から電話するしかない、そう思った私は生徒会室を出ていこうとした。
「ちょっと待て」
だけど、要さんの声に足を止める。
「リストにはないが、話がつきそうな店がある」
ファイルから1枚の名刺を取り出した要さんは、それを夏希ちゃんに手渡した。
「そこに電話してみろ」
「さすが会長!よかったね、伽耶!」
夏希ちゃんは安堵の表情を浮かべて私の元へやってくる。
だけど私は、予想外の要さんの行動に少しだけ戸惑っていた。