温もりを抱きしめて【完】
学校に着いてからは、次から次へとやることが山積していて、目の前にある仕事をひたすら1つずつ潰していった。

いつもは昼休みに水織と中庭で過ごしていたが、帝桜祭が終わるまではその時間もなし。

最近は会計の都築 実夏(つづき みか)と、書記の城崎 保(じょうざき たもつ)、そして東條と俺の4人を始めとする生徒会メンバーと打ち合わせをしながら、昼食を摂ることが多かった。




「じゃあ、午後から会長は校内巡回ね。ミカリンは来客の対応で、たもっちゃんは書道部に顔出しに行くんでしょ?」


「そ!1枚だけ作品仕上げたら、すぐにこっち戻る」


「了解。私はここで、提出書類のチェックしとくから」


「じゃあ、私は応接室行ってきまーす」


午前中の間に、4人でやる作業は片付いたから、午後からはそれぞれ別の場所での仕事になっていた。

俺は各クラスを回っての声かけがメイン。


「じゃあ、ココは頼んだぞ」

「はーい、いってらっしゃい」

書類に目を向けたまま、手をひらひらと振る東條を残して、俺たちは各々の持ち場へ向かった。


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