温もりを抱きしめて【完】
ほんの少し
要さんにもらった名刺を持って、急いで教室に戻る。
とりあえず携帯からこのお店に連絡してみて、それからどうするか考えよう。
時間がないから出来るだけ早く解決したい。
そう思った私は、階段を駆け上がって教室を目指した。
「あ、藤島!」
教室から程近い階段の踊り場にたどり着いたところで、E組の委員長に名前を呼ばれた。
階段の上を見上げると、息を切らした委員長がこちらを見ていた。
「須藤くん、どうしたの?」
私は階段を登り、彼の近くまで駆け寄った。
「いや、藤島探してて...っ。今、みんなで手分けして仕入れ業者探してるから教室戻ろう」
「そんな、私のミスなのに...みんなは他の作業が」
私がそう言うと、委員長はバッと頭を下げて「ごめん!」と言った。
「クラスで起きたトラブルはみんなで解決しなくちゃいけないのに。藤島が悪い、みたいな雰囲気作っちゃって悪かった...」
委員長は顔を上げると、私を見た。
「転校してから初めての帝桜祭で、知らないことも多かったと思う。なのに、任せっきりにしてた俺らも悪いんだ。作業は急がなくても大丈夫だから、教室戻ってみんなで一緒にやろう」
彼の言葉に、張り詰めていた緊張が少しほぐれた気がする。
私の責任で、みんなの頑張りが台無しになっちゃったらどうしようって。
心の中はそんな気持ちでいっぱいで、何とかしなくちゃって必死だった。
「ありがとう」
私がそう言うと、委員長も笑って「おう」と返してくれた。
とりあえず携帯からこのお店に連絡してみて、それからどうするか考えよう。
時間がないから出来るだけ早く解決したい。
そう思った私は、階段を駆け上がって教室を目指した。
「あ、藤島!」
教室から程近い階段の踊り場にたどり着いたところで、E組の委員長に名前を呼ばれた。
階段の上を見上げると、息を切らした委員長がこちらを見ていた。
「須藤くん、どうしたの?」
私は階段を登り、彼の近くまで駆け寄った。
「いや、藤島探してて...っ。今、みんなで手分けして仕入れ業者探してるから教室戻ろう」
「そんな、私のミスなのに...みんなは他の作業が」
私がそう言うと、委員長はバッと頭を下げて「ごめん!」と言った。
「クラスで起きたトラブルはみんなで解決しなくちゃいけないのに。藤島が悪い、みたいな雰囲気作っちゃって悪かった...」
委員長は顔を上げると、私を見た。
「転校してから初めての帝桜祭で、知らないことも多かったと思う。なのに、任せっきりにしてた俺らも悪いんだ。作業は急がなくても大丈夫だから、教室戻ってみんなで一緒にやろう」
彼の言葉に、張り詰めていた緊張が少しほぐれた気がする。
私の責任で、みんなの頑張りが台無しになっちゃったらどうしようって。
心の中はそんな気持ちでいっぱいで、何とかしなくちゃって必死だった。
「ありがとう」
私がそう言うと、委員長も笑って「おう」と返してくれた。