温もりを抱きしめて【完】
ドレスに着替え、軽くヘアメイクをしてホテルのロビーへ向かうと、スーツ姿の要さんが足を組んでソファに座っていた。
黒のスーツに、白いシャツ、そしてグレーのネクタイはベーシックな格好だったけど彼にとてもよく似合っていた。
その容貌のせいか、周りにいる女性客の視線が彼に集まってしまうのは、どこへ行っても同じみたい。
四方八方から黄色い声が聞こえている。
「ごめんなさい、お待たせしました」
彼は私の方をチラリと見やって、立ち上がった。
「...行くぞ」
それだけ言ってエントランスの方へと歩いていく要さん。
私は遅れないようにハンドバッグを握り締めて、彼の3歩くらい後ろをついていっていった。
エントランスを出ると、車の前で立つ葉山さんが私達を迎えてくれる。
今日の食事会について詫びる彼は、私たちの「大丈夫です」という言葉を聞いて安堵したようだった。
「要様も、伽耶様も素敵な装いでございますね」
「どうぞ」とドアを開けてくれる葉山さんに一礼して、車に乗り込んだ。
続いて要さんも車に乗り、葉山さんが運転席に座ると、シートベルトをカチッと止める音が車内に響いた。
「では、出発します。ここからレストランへは、およそ10分程で到着しますので」
葉山さんがそう言うと、車は静かに動き出した。
黒のスーツに、白いシャツ、そしてグレーのネクタイはベーシックな格好だったけど彼にとてもよく似合っていた。
その容貌のせいか、周りにいる女性客の視線が彼に集まってしまうのは、どこへ行っても同じみたい。
四方八方から黄色い声が聞こえている。
「ごめんなさい、お待たせしました」
彼は私の方をチラリと見やって、立ち上がった。
「...行くぞ」
それだけ言ってエントランスの方へと歩いていく要さん。
私は遅れないようにハンドバッグを握り締めて、彼の3歩くらい後ろをついていっていった。
エントランスを出ると、車の前で立つ葉山さんが私達を迎えてくれる。
今日の食事会について詫びる彼は、私たちの「大丈夫です」という言葉を聞いて安堵したようだった。
「要様も、伽耶様も素敵な装いでございますね」
「どうぞ」とドアを開けてくれる葉山さんに一礼して、車に乗り込んだ。
続いて要さんも車に乗り、葉山さんが運転席に座ると、シートベルトをカチッと止める音が車内に響いた。
「では、出発します。ここからレストランへは、およそ10分程で到着しますので」
葉山さんがそう言うと、車は静かに動き出した。