一年の恋。一年後の恋。
「……今は、何してるの?」
『……うん、派遣で事務員。東京じゃないから、来るのは久しぶり』
「…そうなんだ。……あのさ、真紀」
拓海が何か言おうとした時
「真紀、電車乗れそう?」
誠は拓海の存在に気がついてないようで
私に話しかけながら近づいてくる
「どうした?…………誰?知り合い?」
私の隣に来て、拓海の存在に気づいた
『…うん、けど話は終わったから』
『……じゃ、元気で……』
私が歩き出そうとすると
「真紀、待って!俺の話を……」
私を掴もうとしたんだろうが
その手は誠によって払われた
「……彼女に気安く触らないでもらえる?彼女に用があるなら俺が聞く」
そう言って、誠は拓海に名刺を渡す
さ、行こう
私の手を取り、歩き出した。