一年の恋。一年後の恋。


「……じゃ、そろそろ行くわ。俺も……また恋愛できるかな?」



『……できるよ。拓海なら大丈夫』


私が好きだった拓海なら……。
拓海と別れて、私は歩き出した
まだ1時間は経っていない
このまま帰っても大丈夫な時間

帰って報告しよう……
そう思って歩いていたら


「真紀」


『ま、誠?どうしたの?え?まさか迎えに来てくれたの?』


「……ごめん、ちょっと心配で」


ちょっと心配って、
ふふふっ……可愛い。


『ありがとう……って、めっちゃ冷たい』


誠の手を取ると、冷たくなっていた
それがどれだけ外で待っていたのかを語る


『帰ってお風呂入ろう』



「え?一緒に?」



『えっ?一緒にっ?』



ふっ……ふふふっ。
私たちは手をつなぎながら
歩いて誠のマンションへ帰った。
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