一年の恋。一年後の恋。
自分の幸せ
契約満了まで、あと5日
正直、先のことなんか決まってない
派遣会社から紹介された
東京での仕事は結局、断った
「えーっ!真紀と暮らせるチャンスだったのに!!」
誠は不貞腐れていたけど……ね。
そして、最近驚くことがあった
いつものように仕事帰りに
酒屋さんに寄った
「真紀ちゃん、辞めたらどうするんだい?」
『んー……決めてないの。派遣会社も紹介はしてくれるんだけど、都会だから嫌なんだよねー』
わかる、わかるとおじさんは頷く
『……彼もさ、一緒に暮らしたかったみたいで、申し訳なくて……』
「は?あの野郎、真紀ちゃんを独り占めしようって魂胆かっ!誠はそんな小さな男だったかっ!」
この発言に、私の頭にハテナがでてくる
あの野郎?誠?
おじさんに誠のこと紹介してないし
そもそも、名前すら言ってないけど……