一年の恋。一年後の恋。


ホテルに着き
部屋まできたけど……

いざノックしようと思ったら
なかなかしにくい。


どうしよう……
なんどもノックしようとしてやめる

あー……なんなの私


はぁー……こんな自分にため息が出る



「ため息つく程、俺に会いたかった?」


背後から会いたい人の声が聞こえた
振り向く事も出来ず
ノックしようという手もそのまま


「こんな時間まで何してたの?女が一人で出歩くなんて、危ないだろ」


そう言って近づいてくる
誠は部屋の鍵を開けてドアを開く


誠はそのまま部屋に入り

「気をつけて帰れ」

そう言ってドアが閉められた



バタン……その音が響いて耳が痛い

今まで散々無視したから怒ってるんだ
うん、当たり前だよね
話がしたいだろうに、私はその場すら与えなかったんだから


ん……嫌だ。涙が出てくる。
泣かない……泣かない……


意を決して、ドアをノックしようとしたら、ドアが開いた
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