一年の恋。一年後の恋。
『……私、東京に戻る。まだ何するか決めてないけど……。けど、一人じゃないから、大丈夫って思えた』
『……まだ本当に何も決めてないから、また派遣会社に電話して……住むところも探さないといけないから、これから忙しくなると思うけど……』
話してる途中
誠はコーヒーカップを机に置き
私の隣に座り、私を抱きしめた
「馬鹿か?仕事はゆっくり見つけたらいい。住むところは決まってる」
「なんなら、永久就職するか?俺はそれでもいいぞ?」
永久就職……
その言葉に顔が熱い
この人はいつもサラッと言う
「真紀。ちゃんと話そうと思っていたんだ。時期が来たらって。けど、今となっては、早く話すべきだったと後悔してる。ちゃんと俺の口から言いたかった……ごめん。嫌な思いさせた」