一年の恋。一年後の恋。
そういえば、私、名乗ってない外出……
それなら不審がるのも無理ないかな。
ガヤガヤとロビーの中から
「あれ?トヨカワにいた笹森さん?」
その声に私は頭をあげると
前に何度かセレクションであったことがあった開発部の塩谷さんだった
『お久しぶりです、ご無沙汰しております』
塩谷さんはトヨカワを辞める時
東海開発に誘ってくれた一人。
「……もしかして、西川のこと待ってる?」
『はい、けど外出してるって聞いて…』
「え?いや、いるよ。待って呼んであげるよ」
……え?いる?
だって私にはいないって言ったよ。
……なに、あの子。
塩谷さんが連絡してくれたことで
拓海に会うことが出来た
拓海が急いで来てくれたんだと
息を切らして来てくれた
私たちは、会社から少し離れたカフェに入ることにした