一年の恋。一年後の恋。


「……ごめん、真紀。もしかしたら彼女かもしれない。思い出したんだけど……一度だけ彼女に真紀の話をしたことがあった……俺もイライラしていた時期で、いつも言わないのに、つい……」


申し訳なさそうに話す拓海
誰にだって、そういうことはある
……けど、だからと言って今更?

『彼女って、今でも拓海のこと好きなの?』


「……多分。もしかしたら堤川さんにも手紙が届いているかもしれない」


えっ……?


「だってそうだろ?真紀にきて、堤川さんのお母さんにもきてるんだ」


……確かにそうだ
けど、誠は何も言って来ない
もしかしたら心配させないため?


そう思ったら、今朝のことも思い出し
胸がギューってした


「真紀……彼女のこと、探ってみる。堤川さんには話した方がいいと思う。」


拓海の言うとおりだ
けど……。


念のためにって、
拓海は私に携帯番号を教えてくれた

「真紀の番号はいらない。知ってたらかけたくなるから」


そう言って、ハハッと笑っていた
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