一年の恋。一年後の恋。


「真紀、ちょっと外に出てくる。ご飯作って待ってて」


そう言って箱を持っている誠



『だ、だめっ!行っちゃ嫌っ』


誠がなにをしようとしてるか
わからないけど
もしかしたら、危険な目にあうかもしれない


けど誠は私の心配をよそに笑ってる


「真紀は心配症だな、どこにも行かないよ。この子を埋めてくるだけ…この子に罪はないからね」


この子……箱に入って
無残な姿になっていた小動物


誠は玄関の横の収納戸を開け
ガサゴソと軍手とスコップを持ち
「大丈夫」と言って出て行った


帰ってきたら、
ちゃんと話そう。そう思った。
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