一年の恋。一年後の恋。


30分くらいして
誠は帰ってきた


『おかえりなさい』


「ん、ただいま。お腹すいた」


そう言ってお顏で私の頭を撫ぜる
何も聞かない……
それは誠の優しさでもある


ダメね、私。



『誠……』


話そうとした
けど、誠は


「ん?……ご飯食べてからね」


そう言って着替えに寝室へ行ってしまった



食事中もいつもと変わらない会話
何事も無かったように……。


食事も終わり
コーヒーを飲みながらソファに座る


「真紀の話を聞こうかな」


いつもなら食後はビールなのに
今日はコーヒー……
それが、妙に苦く感じた
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