一年の恋。一年後の恋。
彼女が一歩前に出れば
私も一歩下がる…
「あんたが居なくなって、やっと拓海さんが私の物になると思ったのに、拓海さんはあんたを探し続けていた」
彼女が一歩近づく、私は一歩下がる
「それでも拓海さんがいつか私を見てくれるんじゃないかって……そんな時、あんたと偶然会ってしまった」
彼女が一歩近づく…ドン
私はもう、下がれない。
壁と彼女に挟まれた
「あんたが現れたせいで、拓海さんはまたあんたを追いかけた……あんたに男がいても……、なんなの?拓海さんはだけじゃない、誰もが羨むような男と結婚?あんたみたいな女が?」
「拓海さんの人形だったくせに!!人形なら、人形らしく黙ってればいいのよっ!いらなくなったら捨てられる、……いや、私が人形みたいにはしてやるわっ」
彼女の怒鳴り声が恐ろしくて声も出ない