一年の恋。一年後の恋。
「……電報、読んでくれた?」
電報……あ、あれか!
私の反応でわかったのか
彼女は不敵に笑う
「あんただけが幸せになるなんて許さない……絶対……」
そう言った彼女は持っていた鞄から
何かを取り出し、鞄を床に投げた
キラン……
それは……果物ナイフ
ヒヤリと頬に冷たく触れる
『……痛っ』
頬に何かが垂れているのがわかった
彼女は楽しそうに…奇妙に笑う
「私の傷はこんなもんじゃない……」
そう言って、彼女はナイフを私の胸元へ向け横へと滑らせた
『つっ……』
痛みが走る。
このままだとまずい。
そう思ったら
「真紀?」
トイレの外から誠の声がした
彼女も誠の声に気を取られていた
その隙に、彼女をドンっと力強く押したおし、急いで出た