一年の恋。一年後の恋。
未来へ
「ど、どうしたっ?」
トイレを出ると
心配で待っていただろう誠にぶつかる
「あぶね……っ!どうしたそれっ!」
誠は私の顔を見るなり大声をあげた
周りはざわざわとしてくる
怖くて声が出ない……
何かを察して、トイレの方に目を向け
私を後ろに隠すようにした
「クククッ……いいわねぇ、そうやって男にすがれば助けてくれる…。身についてんのね…」
トイレから出てきた女は
ナイフを手のひらでポンポンと叩いていた
「そんな女、かばう意味なんてないわよ」
少しずつ進んでくる女。