一年の恋。一年後の恋。
「真紀、行ってこい…」
誠は手当てを受けている
拓海は手当てが終わり医務室から出て
廊下にいると思う
誠は気を使ってか
私に拓海の所へ行けという……
『でも……』
「いいから。あいつが助けに入ったから、俺の傷は軽かったんだ…」
確かにそうかもしれない
拓海の方が血がいっぱい流れていた
私は医務室を出て拓海を探した
『……拓海』
拓海はロビーの端っこ
柱に隠れるようベンチに座っていた
「…真紀」
「みつからないように隠れたつもりだったのに見つかっちゃったか…」
私は拓海の隣に座る