一年の恋。一年後の恋。
拓海の手は包帯で巻かれていた
……痛々しい
私は拓海の手を取る
『ごめん……私のせいで……』
言葉を発せば目頭が熱くなる
「違うだろ?元はと言えば真紀と付き合ってるのに手を出したのが悪いんだ」
「………真紀は昔から優しいから」
そう言って私の手から離し
頭をポンポンっと撫でる
……拓海。
「泣くな、今日は真紀の笑顔を見に来たんだから……泣かないで」
拓海が私の頬を拭う
「逃がし魚はデカイな……」
「……堤川さんっ!一瞬借りますっ!」
拓海はちょっと大きい声で誰かに……誠に言うように言った