一年の恋。一年後の恋。
外に出た堤川さん
急いで私は追いかける
『堤川さん、払います』
「ん?いいよ。入門証届けてもらったお礼だから」
『いやいや、それにしては高すぎます』
話していたら、堤川さんにいきなり腕を掴まれて引き寄せられた
「あぶねーな……」
私の横をふらふらと酔っ払いだろうか
自転車が通り過ぎていった
堤川さんの顔が近くにある
ドキドキしてる…これは私?
それとも、堤川さん?
堤川さんを見ると
堤川さんも私を見ていた
一瞬、周りの音が何も聞こえなくなるほどドキドキが大きい
「……だから、その顔……まじやばい」
『……え?』
なにそれ?
聞こうと思った時には
堤川さんに唇を塞がれた
優しいキス、思った以上に柔らかい唇
一度離れた唇……
私を見つめる堤川さん
ゆっくり、また堤川さんは
私にキスを落とした
抵抗なんてしない
だって…
もっとして欲しいと思ってしまったから