一年の恋。一年後の恋。


「おはようございます」


その声にビクッとする
スーツの上着を脱ぎ
ワイシャツ姿の堤川さんが事務所に入ってくる


「おはよー、堤川くん打ち合わせどうだった?うまくいった?」


「はい、問題ないです」


和気あいあい話している中
私はコーヒーを淹れに洗い場へこもる


コーヒー飲んで切り替えなきゃ
仕事……仕事……


コーヒーを淹れて一口だけ飲もうとしたら


「おはようございます」



『ぎゃっ、あちっ』


「大丈夫?ごめん、驚かせた」


私に声をかけてきたのは
今は一番会いたくない堤川さん


『お…おはようございます』


やばい、目が合わせられない


「これ、お土産。皆さんで食べてください」


『ありがとうございます…』


「…………。」



……。なに?なんで見てんの?
見ないでよ…


「俺も飲んでもいい?コーヒー」


『……あっ、私がやりますね』


そう言ってコーヒーを淹れるも
後ろからの視線が痛い…
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