一年の恋。一年後の恋。


その時、電話がなった


『はい、藤川……あ、お疲れ様です……あ、はい……いやーそれはちょっと。…………はははっ。』

『宮西さんですよね、お待ちください』


保留ボタンを押して振り返ると
今にも逃げ出しそうな宮西さん


『宮西さん、ダメですよ』


そういうと、参ったな……とため息をついて電話に出てくれた


「誰?」


『ここの構内の資料課の人』


「へぇ……仲良いの?」



『私?無理無理。いつも誘ってくるし、会えば気持ち悪い目で見てくるし』


上から下まで舐めるようにみるんだ
本当に気持ち悪くて
なるべく会わないようにしている


「気持ち悪いな……」


『でしょ』


宮西さんが電話でやりとりをしているのが可笑しくて笑っちゃう
< 32 / 194 >

この作品をシェア

pagetop