一年の恋。一年後の恋。
「君といると、時間が経つのが早い」
『クスッ……私もそう思います。堤川さんが針早めてるんだと思ってました』
「は?、俺かな?」
堤川さんの腕の中で
笑いながら話す私たち
『もう、行ってください。乗り遅れたら明日お仕事出来ませんよ?』
「それはまずい……なら行くかな」
堤川さんが離れていく
まだ一緒にいたい
けど、そんなの言う勇気もない
わたしは堤川さんが見えなくなるまで
手を振り続けた
トクン……
やっぱり
帰ろう……寒いな……
タクシーを拾い
私は家へと帰った