一年の恋。一年後の恋。



『おはようございまーす』


「笹森さん、おはよう。朝から雪って嫌だよね。寒いし……」


ストーブの前を陣取っている中島さん


『寒いですよねーこれ以上酷くなったら、電車止まっちゃいますね』


「……酷くなるみたいなんだよねー」


『うわっ……最悪』


雪がシンシンと降っている
雪国ではない街
雪が降ると大変な事になる

これは……早めに帰るパターンか?
……今日はやらなきゃダメな仕事があるからなー


私の考えは的中する


「笹森さん、ごめん。今日みんな電車が止まる前に帰るから!」


所長の声にガッカリする


『所長……私、本社からのメールが来ないと上がれません』


所長の顔が、あっ!って顔だった


『鍵かけて帰りますので、皆さんは早く上がってください』



「笹森さん、ごめよ!本当に申し訳ない」


金曜日に早く上がるのは、よくある
本社からのメールは、それに合わせてメールがくる


けど、今日はそれより早く
昼前には帰ると言う……仕方がない。


「あ、あと。堤川くんはクライアントと飯行ったから、そのまま帰るみたい。」


そうなんだ……
なら会えず……だな。
まぁ、仕方がない


別に約束してるわけじゃないし……
< 55 / 194 >

この作品をシェア

pagetop