一年の恋。一年後の恋。
『おはようございまーす』
「笹森さん、おはよう。朝から雪って嫌だよね。寒いし……」
ストーブの前を陣取っている中島さん
『寒いですよねーこれ以上酷くなったら、電車止まっちゃいますね』
「……酷くなるみたいなんだよねー」
『うわっ……最悪』
雪がシンシンと降っている
雪国ではない街
雪が降ると大変な事になる
これは……早めに帰るパターンか?
……今日はやらなきゃダメな仕事があるからなー
私の考えは的中する
「笹森さん、ごめん。今日みんな電車が止まる前に帰るから!」
所長の声にガッカリする
『所長……私、本社からのメールが来ないと上がれません』
所長の顔が、あっ!って顔だった
『鍵かけて帰りますので、皆さんは早く上がってください』
「笹森さん、ごめよ!本当に申し訳ない」
金曜日に早く上がるのは、よくある
本社からのメールは、それに合わせてメールがくる
けど、今日はそれより早く
昼前には帰ると言う……仕方がない。
「あ、あと。堤川くんはクライアントと飯行ったから、そのまま帰るみたい。」
そうなんだ……
なら会えず……だな。
まぁ、仕方がない
別に約束してるわけじゃないし……