一年の恋。一年後の恋。



「ん…………って俺はガキかよ」


『ふふふっ……違いました?』
『ほら、お風呂っ』



堤川さんははぁーっとため息をつき
お風呂へと行った


堤川さんがお風呂に入っている間
窓を開け、部屋の換気
ベットのシーツカバーを全て変えた


寒っ……
雪が積もっている

これなら電車は動くだろう
けど、熱があればまたぶり返す。


「寒くないの?」


窓を閉めようとしていた私
また後ろから抱きしめる堤川さん


『雪って…見てると切ない』
『楽しそうに降ってくる時もあれば、辛そうに降ってくる……』


「ん……雪は嫌い?」


ううん。大好き
雪を見てると、何もかも忘れられた
あの時だって、雪が降っていた



『……ご飯作りますね。堤川さんは寝ててください』



「えー、もう大丈夫だよ?」


『はい、はい。なら熱測ってくださいね』


そう言ってキッチンへ向かった
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