一年の恋。一年後の恋。



付き合ってるのに……無理やりなんて
あんまりすぎる…



「……ごめん」



そのごめんは……なに?
流す涙もない


身体を起こし、乱れた服を整える


『……帰るね』


そう言って、拓海の顔も見ず帰った
マンションに着いてすぐシャワーを浴びる


今日のことは忘れる…
大丈夫……。大丈夫……。




「今日は残業?家に行ってもいい?飯作って待ってる」



マンションの鍵……合鍵は渡していた
拓海がそんなことしたことはない


『今日は8時には帰れるから』


「わかった。」




マンションに帰れば
本当に拓海がいてビックリした


「おかえり」



『……ただいま』


ドアを開ければ美味しそうな匂い



「昨日は悪かった」


そう言って抱きしめてくれる拓海
昨日はたまたま……
寝起きで機嫌が悪かっただけ

あの匂いも、私の勘違い。



今夜も拓海に愛される
昨日とは違って、優しく触れてくれた。
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