一年の恋。一年後の恋。
それから半年が過ぎれば
また拓海の様子がおかしい。
返事を求めても、上の空
デートの約束も曖昧
ちょうどその時、私も新規事業が重なり忙しい毎日を送っていた
メールをしても、返信もまちまち
絶対おかしい……
だから、残業を早く切り上げて拓海の部屋へ向かった。合鍵はある。
拓海の部屋の前……
気づかれないように鍵を開ける
ドアを開ければ、甘ったるい匂い
玄関には明らかに女だというヒール
部屋は真っ暗……
聞こえるのは……女の喘ぎ声
やっぱり……
部屋には入りたくない
けど、このまま帰るのも癪にさわる
【ピンポーン】
私はインターホンを押した
『……拓海?いる?』
わざと大きい声で言った
ドタバタしながら、拓海が出てきた
「悪い、寝てた」
『そ、誰?このヒール』
そう言った瞬間、今まで拓海がいた部屋から勢いよく出てきた女
彼女は止まりもせず
そのまま部屋を出て行った