一年の恋。一年後の恋。



これが、何度もあった
別れてと言っても、別れてくれない

身体も心も疲れていた


「はぁー。なんなの?ちょっとは感じろよっ!お前は人形か?俺は人形相手にやってんのかよ」


人形?……普通、マグロでしょ?
例えも間違うなんて、馬鹿か。


その日から

「俺の人形」

拓海はそう私を呼んだ



何もかも忘れたくて
仕事に没頭した


「笹森さん、最近顔色悪いよ?」


杉下さんが心配してくれる
杉下さんは拓海と付き合っていることはしっていたけど、それは前の優しい拓海


話せるわけない。
話せない。

話したくない。



『大丈夫です。寝不足かな?』


そうやって乗り切る毎日
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