一年の恋。一年後の恋。


あの頃……拓海と付き合ってた頃。


「実はね……笹森が辞めた後、彼ね、会社に来たんだよ」


え?彼って……拓海?


「笹森が突然いなくなったって。携帯もつながらないし、マンションもいないって。けど笹森は辞表を出した後だったし、携帯もつながらなかったから、どうする事も出来ないって伝えたら……」


伝えたら?


「彼……泣いてたよ」


な……泣いていた?
まさか……どうして?


「自分が悪いんだって……。まぁー、あれだな。失って気づくってやつか?まあ……今の笹森をみたら、別れて正解だったんだろうけど」



まさかの拓海の行動に驚くが
今となっては過去の話。
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