控え目に甘く、想いは直線的
意外な一面
おかしくないかな。

月曜日の朝、要さんに買ってもらったブラウスとスカートを着て、部屋にある鏡の前をくるくると回っていろんな角度からチェックした。

要さんの見立てだから、おかしくはないと思うけど、初めて着る服は体に馴染まなくて、落ち着かない。


「おはよう」


「おはよう。あら、夕美。そんなブラウス持っていた?」


「うん。初めて着たんだけど、変かな?」


「ううん、そっちのほうがいつもよりいいわよ。大人っぽく見える」


今までそんなに幼かったのだろうか。そういえば、昨年涼さんに高校生だと間違われた。やっぱり服装が一つの原因なのかもしれない。

いつもと違う服は落ち着かないけど、これは要さんがくれた一つのチャンスだと思うことにしよう。

大人っぽく見えることは嬉しいことだ。要さんも何か言ってくれるかな。


少し浮き足だった状態で出勤した私は、人事部のドアをゆっくりと開けた。


「おはようございます」


「おはよう」


まだ大石さんは出社していなく、要さんしかいなかった。
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