控え目に甘く、想いは直線的
「しかし! いつの間に一緒に旅行するほどの仲になっているのよ。付き合い始めたのなら、もっと早くに教えてよ」


「だって、付き合っていないから」


「えー、付き合っていない? どういうことなのよ?」


柊花にまだ話していなかったバーベキューのこと、デートのこと、大石さんの誕生日会のことを一気に話した。

柊花は話を遮ることなく頷きながら、聞いてくれて、私の一通りの話が終わると大きくため息をつく。

そんな柊花に私は苦笑いして、烏龍茶を飲んだ。


「それで付き合っていないというか、気持ちを言わないのはおかしくない? 付き合おうと考えてないんじゃないの?」


「そ、そうなのかな?」


「それか他に女がいるとか?」


「そ、そうなのかな?」


ストレートに好きだとは言われていない。ごまかしているようには見えないけど、敢えて伝えることを避けているようには感じた。

だけど、言わないことには理由があるのかも。

他に女性がいるように感じたことはないけれど、弟の涼さんみたいに婚約者がいるかもしれない。
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