控え目に甘く、想いは直線的
付き合ってもいない人と泊まりの旅行をすることは今まで考えたこともなかった。

後悔はしたくない。


「うん。要さんと話してみるね。今、忙しくてそんな話をしている暇はないと思うけど、休みの日にでも話をするだけの時間を作ってもらう」


「そうしたほうがいいよ。大事にしている部下という目で見ているんだったら、そんな曖昧な関係はキッパリと切ること。だらだらと流されちゃダメなんだからね」


曲がったことが大嫌いな柊花らしいアドバイスだ。でも、言っていることは正論で頷ける。

私は今まで人に流されないで、自分で決めた道を選んで進んできたつもりだった。

だけど、恋愛が絡むと思うようにいかない。恋することに慣れていないから流されてしまうのかな。それが嫌だと感じなかったのもよくないのかも。

テストの答えのように、恋には正解がないように思う。それでも、自分で信じた道に進みたい。

そのためには、要さんの気持ちを確かめよう。ちゃんと言葉で伝えてもらおう。望んでいない言葉を告げられたとしても受け止めようと決心した。
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